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子の引渡し(1)審判前の保全処分について

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まず、審判前の保全処分を申し立てるには、本案の審判事件が申し立てられている必要があります。

 

①別居中の場合の本案は、子の監護者指定あるいは監護権に基づく子の引渡し請求であり、

②離婚後の場合の本案は、親権又は監護権に基づく子の引渡し請求あるいは非親権者・非監護者からの親権者・監護者の変更の申立てです。

家庭裁判所は、審判の申立てから終局審判が効力を生じるまでの間に、強制執行による権利の実現が困難とならないよう、また関係人の生活が危険に直面することないよう、申立人の申立てによって、仮差押、仮処分その他必要な保全処分を命じることができる(家事事件手続法105条1項)こととされています。

 

子の引渡しの審判前の保全処分においては、強制執行を保全し、又は子その他利害関係人の急迫の危険を防止するため必要があること(家事事件手続法157条1項3号)及び本案認容の蓋然性があることが要件となります。

 

子の引渡しの審判前の保全処分の申立における保全の必要性とは、「子の福祉が害されているため早急にその状態を解消する必要があるときや、本案審判を待っていては、仮に本案で子の引渡しを命じる審判がされてもその目的を達することができないような場合がこれにあたる」(東京高裁決定平成15年1月20日家裁月報55巻6号122頁)とされています。
 
審判前の保全処分は、緊急性、迅速性という点でメリットがありますが、上記決定を見て分かるとおり、裁判所は、要件をかなり厳格に絞っているため、実際には、本案の審判事件を速やかに進める方が効果的な場合があります。

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