第98回 書式の重要性

書式の重要性

弁護士の内田です。

男の子はよく風邪を引くと言いますが、本当にうちの子はよく風邪を引きます。まぁそれはしょうがないのですが、最近は、私自身もよく風邪を引きます(免疫力が下がってきているのでしょうか・・・。)。

皆様も社会人になってから風邪との付き合いは長いかと思いますが、どのような対処をされているでしょうか。段階としては、①風邪を引いていない平時、②風邪を引いたかな、と思う準有事、③完全に風邪を引いた有事の3段階くらいに分けられるかと思います。
①の段階で思っていることは、「マスクをする習慣が無くなってから風邪を引きやすくなった気がする。」ということです。やっぱり、マスクは予防に効果的ですね。
②の段階については、昔は葛根湯を飲んで早く寝るというのが定番の対策だったのですが、最近はこの②の段階が無くて、朝を起きたら「③だ・・・。」になっていることが多いです。
最後に③段階ですが、下手に自力で治そうとせず、早く医者にかかって薬を貰うことが結果的に早く治ることに繋がると分かってきました。

 いずれにしても、季節の変わり目は風邪を引きやすいので皆様も風邪にはご注意ください。

 
 さて、本日のテーマは「書式の重要性」です。
 
 役所に行けば様々な書式の申請書等があります。法人税の申告書なども書式が事実上決まっています。皆様の会社にも独自の「書式」があるのではないでしょうか。

 法的書面の書式の背景には、非常に多くの法律の根拠条文や判例、あるいは通達などがあり、法律専門家でなくても書式に沿って記入し、また資料を揃えれば、自然と法令に合致した主張・証拠が完成するようになっています。

当法人で代表的な書式といえば、債務整理(借金等の精算)をするときに使用する相談録です。
相談者に対して、任意整理、破産、再生又はそれら以外の選択肢のどれを勧めるのが良いのかを判断するためには、聴き取らなければならないことがたくさんありますし、聴き取った事実に基づき計算や判断しなければならないこともたくさんあります。これらを過不足なく全て聴き取り、判断するのはベテラン弁護士でも難しいのですが、これが書式化されていることで少しの経験がある弁護士であればベテラン弁護士と同じ結論を導くことができます(とはいえ、ある程度の「慣れ」は必要ですが。)。

不動産取引で有名な重要事項説明書ですが、これも1つの書式といってよいでしょう。「ベテランだと漏れなく説明できるが新人だと難しい」という場合に新人でもベテランと同等の説明ができるようになります。

書式が整うことの経営に対するインパクトはかなり大きく、書式なしで新人1人1人にベテランが属人的に教育を施すのと、書式を通じて新人に対して画一的に教育を施すのとでは、教育にかかる時間的コストはかなり違ってきます。結果、成果(売上・利益)が出るまでの時間にも大きな差が生じます。

行政庁に出す書面の書式が法改正に伴って変更されるのと同様に、私企業独自の書式もまた定期的に見直されるべきです。仕事をしていて不都合だった点や改善点などを社員から募集し、定期的に修正していけば、自然と「会社としてのベストプラクティス(とは言わないまでも無難なスタンダードルール)」が出来上がります。
 書式を作る目的の1つは「間違えさせない」ですが、このように「業務効率化」という積極的な機能も持たせることができます。

勿論、書式化できない業務もあるのですが、そういった業務に思考のリソースを集中するためにも、書式化できる業務については書式化してしまうのが良いです。

書式化が会社にもたらす利益は大きいのですが、書式を作る作業自体が大変ですし、書式を作る人は自然と会社の業務を熟知しているベテランになりますので、そういった人が書式作成時間を確保するのも難しいということもあり、なかなか進まないものです(個人的には、書式作りこそ定年後に再雇用された方にやってもらうのが良いと思います。)。
まずは、重要な業務や新人が間違いやすい業務などに絞って作成を進めていくとよいでしょう。


 いかがだったでしょうか。

 本メルマガを見て、「この業務って書式化した方が効率的じゃない?」と思うことがありましたら、是非、会社に提案されてみてください。

以上

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