第57回メルマガ記事「弁護士の日常について」2020.10.22
弁護士の日常について
弁護士の内田です。
過ごしやすい季節になりましたね。個人的には少し寒いと感じるくらいが好きです。
仕事術・・・的な書籍を読んでいると、度々「体を鍛えて体力をつけることが大切」ということが出てきます。
弁護士のようなデスクワーク中心の仕事であればそれほど体力は必要ないだろうと弁護士になりたての若い頃には思っていました。意識的に運動もしていませんでした。
しかし・・・やっぱり疲れやすくになりましたね。「帰りたい。」と思う時間が早くなりました。
これではまずいと考え、最近では意識的にランニングや筋トレをしています。そうすると、本当に疲れにくくなりましたね。そして、疲れにくくなると(余力が生まれると)色々なことにチャレンジする気力も湧いてきました。
体力をつけるというのは非常に重要なことだと感じる今日この頃です。
さて、今日はいつもと趣向を変えて法律の話ではなく、弁護士の日常についてお話します。勿論、一口に弁護士といっても取り扱う仕事の種類は様々なので一概には言えません。
今回は、当法人のような中堅都市で債務整理、交通事故、離婚、相続、企業法務などの様々事件を取扱い、相手方と交渉したり訴訟をしたりといった仕事を中心とする法律事務所の弁護士についてお話します。
まず始業ですが、当法人では9時の朝礼からスタートしますが、特に弁護士の始業時間が決まっていない法律事務所や10時を始業時間とする法律事務所も少なくありません。
日中は調停・訴訟などの裁判所での手続のために出廷や係争地の調査等で外出することが多いです。
また、日中には、外出以外に顧客との打ち合わせや法律相談も入ります。ですから、弁護士はなかなか日中には捕まりません(経営者弁護士になると別に経営者独自の仕事もあるので、さらに捕まらなくなります。)。
弁護士と付き合いのある方の中には「あの弁護士は、いつ電話しても大体いないな。」と思われている方もいらっしゃるでしょう。それは、こういった事情からです。
このように日中の弁護士はなかなかに時間が取れません。そのため、裁判所等に提出する書面は17時ないしは18時以降に作成することになります。
仕事の多い弁護士では一人で100件以上の事件を担当します。訴訟案件が増えると作成しなければならない書面の量も増えるので、とにかく書面作成という名の「宿題」が溜まります。
裁判所に提出する書類には大体「期限」がありますから、結局、溜まった宿題は夜に片づけるということになり、こうして弁護士の長時間労働が生まれます(弁護士業界にこそ、実は働き方改革が必要な状況なのです。)。
弁護士の仕事は「他人の喧嘩に首を突っ込む」ものも少なくないので、性格にもよりますが、ハイストレスに晒されます。「あいつ、弁護士、辞めたってよ。」と同期の弁護士から聞くこともめずらしいことではありません。
そんなストレスの多い仕事なので、「休み」は必須です。よく酒を飲みにいく弁護士、ひたすら眠る弁護士、運動に打ち込む弁護士、休みの使い方は弁護士によって様々です。
最後に、弁護士の仕事を語る上で避けらない「事務員さん」についてお話します。
弁護士の仕事には法律的な判断を必要としない事務的作業も非常に多いです。このような事務作業を全て弁護士がやることはほとんど不可能であり、事務員さんがこれを円滑・適切に処理してくれることによって法律事務所の経営が成り立っています。
事務員さんの中には特定の分野について弁護士に比肩する実務能力を有する「パラリーガル」と呼ばれる人たちもいます。
以上、いかがだったでしょうか。
弁護士に限らず、意外とビジネス上の付き合いのある人が日常どのような日々を過ごしているのか知らないものです。
相手のことをよく知り、より良い関係性を構築していくようにしていきたいものです。