無料広告を騙った悪質な求人広告勧誘について
1 手口
昨今、人手不足の労働市場を背景として、「キャンペーンで今なら無料で求人広告を出せます。」という謳い文句で求人サイトへの登録を進めてくる業者が増えてきています。それだけならばよいですが、その求人の申込書や約款には、小さな字で「2週間が経過した場合には、自動的に有料掲載に切り替わります。1か月の掲載料は20万円となります。」などと書いてあり、悪質業者はこれに気付かないで解約の連絡をしなかった会社に対して、突如、数十万円の高額な掲載料を請求してきます。
このような詐欺まがいな行為ではありますが、いわゆるBtoB取引では消費者契約法等の消費者保護に関する法律が適用されないため、悪徳業者に対する反論は難しくなります。「自動で有料になるなんて聞いていない。」と言ったところで、「契約書に書いてあります。事業者なのだから契約書はしっかり読んでください。」と返されます。
実際に、悪質業者の中には、支払いを拒否する会社に対して、訴訟まで提起してくる者もあり、「ちゃんと見ていなかったのだから数十万円くらいなら」と泣き寝入りして支払ってしまったという企業様も少なくありません。
2 対応
解約可能期限内に解約の通知を内容証明郵便その他証拠に残る方法により行うというのが基本的な対応ですが、この記事をお読みになられている方の多くは既に期間を徒過されているかと思います。
まず、解約可能期間を徒過していても、契約の有効性は争いつつ、次回の更新はしないという通知はしておくべきです。さもないと、更新が繰り返され、訴訟になった場合の敗訴リスクが高まってしまうからです。
次に、悪質業者に対しては裁判例を用いて適切に反論し、請求を断念するよう求めます。実際に、当法人の弁護士がこのような反論書面を送付した数日後、業者の方から請求を撤回する旨の書面が届いたということがあります。
残念ながら訴えられてしまった場合には、もはや非専門家での対応は困難ですから、弁護士から応訴を依頼した方がよいでしょう。
3 費用
(1)着手金 8万円 + 消費税8000円 = 8万8000円
(2)報酬金 減額した金額の18%+消費税
※顧問契約AないしCをいただいている会社様については、訴訟前の着手金は0円(報酬金は発生します。)とします。