高齢者が業者から過量な事務機器を購入させられた事案
事案の概要
高齢な依頼者の自宅にプリンター等のリース会社(相手方)の営業マンが訪れ、依頼者は、ちょうどプリンターを新しく変えようと思っていたことから、プリンターのリース契約を締結した。
ところが、その契約では、明らかに過剰な契約がなされており(プリンター以外にハイテク機器が複数付いていた)、リース代金は800万円を超えていた。
依頼者は、リース会社からの明細書が見て驚き、弁護士に相談した。
解決までの経緯
弁護士は、本件の契約が割賦販売法の過量販売に該当すると考え、相手方に対して過量販売解除権に基づき契約を解除する旨の通知を行った。
そうしたところ、相手方から、元々依頼者はプリンターの新しく変えようと思っていたのだから、プリンターについてはそのまま契約を維持し、他に物件については契約を解除する方向で和解できないかという打診があった。
依頼者もこれに応じる意向だったので、上記の案で和解した。
弁護士の目
高齢者を狙って、突如として訪問し、全く不必要な物又は過剰な物を売りつける業者は後を断ちません。
お金を払う前であれば、特定商取引法、割賦販売法、消費者契約法などにより、業者に対抗して代金の支払いを拒否することが可能なケースが多いですが、一度、業者にお金を支払ってしまうと回収は困難です。
本件は、相手方が大きな会社で、対応がしっかりしていましたので、不幸中の幸いだったケースといえるかもしれません。