お子様が逮捕されてしまった方へ
1 子どもが逮捕されたときにまず知るべきこと
子どもが逮捕されると、親であってもすぐに会ったり電話をしたりすることはできません。逮捕後の72時間(警察48時間+検察24時間)は、被疑者の接見(面会)が原則として弁護士以外に認められないため、直接会話することはできないのが通常です。
このため、早期に弁護士へ相談し、弁護士を通じて情報を得ることが重要です。
2 逮捕後の刑事手続の流れ
成人(20歳以上)の場合は次のように進みます。
- 逮捕(最長72時間)
警察が取り調べを行い、検察庁に送ります(送検)。 - 送検・勾留(最長20日間)
検察官の判断で勾留請求が行われ、裁判官が認めれば最長で20日間まで身柄拘束されます。 - 起訴・不起訴の判断
検察官が起訴すると、刑事裁判に進みます。不起訴の場合は釈放され、手続きは終了します。 - 裁判・判決
起訴された場合は、略式命令(罰金)か正式裁判(公判)が行われます。
未成年(20歳未満)の場合の流れ
未成年が逮捕された場合、原則として、成人とは違い「少年事件」として家庭裁判所に送られます。
- 逮捕(最長48時間)→送検(24時間以内)
検察が家庭裁判所に送致します(全件送致主義)。 - 観護措置(最長20日間)
勾留の代わりに少年鑑別所に収容され、心理・生活態度などの調査が行われます。 - 家庭裁判所での審判
裁判官が少年本人の反省や更生の可能性を重視して処分を決定します。保護観察・少年院送致・不処分などの結果があります。
親が取るべき対応ポイント
- 弁護士に早急に相談する
弁護士は家族に代わって接見でき、取調べ時の対応や示談などをサポートします。
特に、逮捕された直後の72時間は、孤独で不安になり、虚偽の自白をしてしまう可能性が高いため、逮捕後の早いタイミングで弁護士に接見してもらう必要があります。 - 事実関係を確認する
警察に、罪名、警察署、逮捕の日時、被害者の有無などを確認して把握しておくと、弁護活動が円滑に進みます(但し、必ず回答が得られるわけではありません。)。 - 面会・差し入れは弁護士を通じて
家族の直接面会は制限されることが多いため、差し入れや伝言も弁護士経由が原則です。 - 不用意に被害者へ接触しない
不用意に被害者へ接触すると、被害者感情を逆なでしてしまったり、罪証隠滅を疑われてしまったりなどのトラブルになります。被害者と接触する前には、弁護士に事前相談しましょう。
少年事件での親の役割
少年事件では、親は「保護者」として重要な立場にあります。家庭裁判所は、少年の更生可能性を判断する際に家庭環境を重視するため、
・家庭での監督体制
・本人の性格、資質、反省態度など
・再犯防止策(生活指導・進学支援など)
を説明できるよう準備しておくことが求められます。裁判官に「この子は、(少年院ではなくても)社会内で更生できる。」と思ってもらえるように、弁護士と協議しながら子のための環境を整えていくことになります。
まとめ
子どもが逮捕されたとき、親にできる最も実効的な行動は「すぐに弁護士に相談する」ことです。初動72時間が対応の分かれ目です。
弁護士と一緒に示談・環境調整を進めることで、子どもの早期釈放や適正処分につながる可能性が高まります。






