土地の明け渡しに成功した事案

事案の概要

Jさん(相手方)が第三者が所有していた土地を借りて居宅を建てていました。その土地をTさんが第三者から購入しました。Tさんは、Jさんに対して、土地の賃貸借契約が満了する半年前頃から立ち退きを求めていました。Jさんは、10年間経過したら立ち退きをするといい、Tさんはそれを了解し10年間の賃貸借契約を締結し、期間を延長しました。

しかし、10年後にJさんは、賃貸借契約の期間を10年とするものは借地借家法に違反するから無効で、あと20年間は契約に基づいて土地を使用する権利があるはずだと主張して立ち退きを拒否してきました。

そこで、Tさんは弁護士に相談し、弁護士が交渉を行うことになりました。

 

解決までの経緯

Jさん(相手方)も弁護士を立てて、弁護士同士の話合いとなりました。Jさんの弁護士は、あと20年間は土地を使用する権利があるからと理由で、仮に立退きを受け入れる条件として、高額な立退料を請求してきました。

そこで、弁護士は、建物を収去して土地を明け渡すよう調停の申立てを行いました。しかし、調停はうまくいかず、終了となりました。

その後しばらくたったときに、弁護士がJさんの弁護士に連絡をいれると、なんとか交渉で解決をしたい旨申し入れがありました。

当初は500万円ほどの立退料を請求されていましたが、約300万円をTさんがJさんに支払うことで立退きをするという合意が成立しました。

 

弁護士の目

まず、Tさんの失敗は、Jさんと契約の更新をする際に、賃貸借期間を10年とする賃貸借契約を締結することに法的に問題がないかということを弁護士に相談しなかったことです。きちんと相談をしていれば、そのような契約は無効になる旨のアドバイスを受けれたことは間違いありません。

しかし、Tさんの成功は、その後弁護士に事件解決の依頼を行ったことです。当事者同士で話していても、だんだんと感情が強くなっていき合理的な話合いをすることは難しくなり、ただのケンカのようになってしまうこともあります。弁護士という第三者を介入させることで、弁護士はその問題について利害関係を持たないので、客観的に事実関係を俯瞰し、冷静に対応することができます。また、弁護士同士での話合いになれば、どうにかして解決をしなければ依頼関係が終了しないことから、一方がより譲歩をしなければならない場面が生じてきます。

弁護士は、そのようなこともあり調停をわざわざ不調にさせて、Tさんの意思の堅さをアピールしました。その結果、Jさんは多少妥協しなければ解決はできないであろうと考えたのか(あくまで弁護士の推測です。)、当初の請求よりも大きく減額した立退料を支払うことで合意が成立しました。

弁護士は、交渉のプロです。というのも、色々な相談者、依頼者、事件を見聞きし、交渉活動を行っていることから経験豊富です。

したがって、話合いが膠着したり、自分の言っていることを理解してくれないなどの場合には弁護士という第三者を介入させることが、事件解決の肝といえるでしょう。

 

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