社内恋愛がセクハラ紛争に発展した事案
事案の概要
依頼者は、職場の上司(相手方)から「妻とはもう破綻している」と言われ、相手方と交際していた。ところが、相手方は、依頼者が妊娠したことを知ると依頼者との交際を拒否するようになった。
結局、依頼者は、中絶せざるを得なくなり、相手方に慰謝料の支払いを求めた。
解決までの経緯
弁護士と相手方が交渉し、相手方は一旦は150万円を支払うと述べたものの、急に態度を翻し、「お金がないから分割で数万円ずつ支払う」と述べるに至った。
当事者間での交渉では話が詰まらなかったので、調停を申し立て、裁判所で相手方と話し合うと共に、調停外で勤務先会社とも交渉を開始した(社内においてセクハラ的行為もあったと主張したため)。
結局、相手方が頭金+分割金を支払う形で和解した。
弁護士の目
妻帯者との恋愛は、配偶者から慰謝料を請求されるリスクを負いますので、弁護士としてはお勧めできません。とはいえ、不倫をしていた者は何をされても法的保護を受けられないかといえばそういうわけではなく、行為態様によっては、不法行為を成立し得ます。
特に、社内恋愛の場合、セクハラ問題として会社も巻き込まれる危険性があるため、会社は、従業員から相談を受けたときは、個人間の問題として無視するのではなく、ある程度、事実調査をして然るべき措置を講じなければなりません(たとえば、調査の結果、セクハラとまでは言えない場合でも、社内秩序を乱すような行為をしていたのであれば、それはそれとして就業規則等に則って戒告処分に付すなどしなければなりません)。
いずれにしても、男女間の問題は感情的になって問題が大きくなる傾向にあるので、紛争が小さなうちに弁護士に相談することをお勧めします。
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