税金の取り扱いを巡り従業員が雇用か請負かが争いになった事例

 

1 事案の概要

依頼者は、相手方を雇用していたが、経営上の都合により、契約を請負に切り替えた。ところが、相手方は給与所得者として確定申告していたため、税務署から指摘を受け、その際、依頼者との関係は雇用だと回答した。

税務署は、依頼者に対し、相手方との間の契約が雇用なのか請負なのかはっきりさせ、それに応じた税金を支払うよう指導した。

依頼者としては、もし雇用ということになると、消費税等を遡って請求されるため、弁護士に相談した。

 

2 解決までの経緯

弁護士が依頼者からヒアリングし、雇用か請負かを判断するに必要な資料の提出を求め、依頼者と相手方との関係は請負に当たる旨の意見書を作成した。

弁護士は、意見書をベースに相手方を説得し、依頼者との関係は請負である旨を確認した。その上で、相手方に必要な事業所得者としての確定申告に必要な税理士費用、税金については、依頼者が負担する形で和解が成立した。

 

3 弁護士の目

「雇用か請負か」という問題は、労働基準法等の労働者保護関係の法律が適用されるか否かに関わりますし、税金の取り扱いも大きく変わってきますので、重要な問題といえるものです。

よくあるケースが、会社が社会保険料の負担を免れるために、実質は雇用なのに形式だけ請負に変えるケースですが、このような処理は許されるものではありません。雇用かどうかの判断は、①仕事の依頼への諾否の自由、②業務遂行上の指揮監督、③時間的・場所的拘束性、④代替性、⑤報酬の算定・支払方法を主要な判断要素とし、⑥機械・器具の負担、⑦報酬の額等に現れた事業者性、⑧専属性等を補足的な判断要素として判断されます。 具体的なケースごとの判断になりますが、判例がどのように事実認定・評価しているのかを理解していなければ適切な判断が難しいので、もし、現従業員との関係を雇用から請負に切り替えたいというような場合には、事前に弁護士に相談してください。


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