第23回メルマガ記事「雇用期間の定めのある契約か否か」 2018.6.28号
前回に引き続き、弁護士の長船友紀がメールマガジンをお届けいたします。
さて、前回のメルマガ、ニュースレターに引き続き、サッカーワールドカップの話題になるのは、普段サッカーを見ない皆さんにとっても、仕方ないなと思われるほどの盛り上がりを見せております。
ワールドカップ二ヵ月前に監督が解任されるという電撃的出来事が起こり、マスコミを始めとする国民の多くが三戦全敗での予選敗退を覚悟していたにもかかわらず、ここまで、強豪コロンビアを2対1で下し、セネガルに土壇場で追いつき2対2の引き分けと負けなしで、本日、第3戦目のポーランド戦を迎えます。
国民の期待を裏切る活躍を見せる日本代表の立役者は、西野監督、大迫選手、本田選手、乾選手など挙げればキリがありませんが、第3戦目以降、私が皆様に注目していただきたい選手は、柴崎岳選手です。
西野ジャパン以前は、代表当落線上にいた選手ですが、私は、青森山田高校時代から注目していた選手です。何がいいって、まず、代表一のイケメンです。
そして、プレー面でいえば、若さに似合わない落ち着きぶりを持っています。
その落ち着きぶりは、全盛期の遠藤保仁選手を思い起こさせます。
パスの精度も素晴らしく、彼の「縦パス」から日本の攻撃が始まると言っても過言ではありません(セネガル戦の1点目に繋がった長友選手へのロングパスを思い返してみて下さい。)。
ポーランド戦、決勝トーナメントは、是非とも柴崎岳選手の縦パスにご注目下さい。
がんばれニッポン!
それでは、本題の「雇用期間の定めのある契約か否か」について、お話しさせていただこうと思います。
皆様は、採用を考えられる際、「パート」にしようか、「正社員」にしようかと悩まれることも多いのではないでしょうか?
もっとも、「パート」の定義や「正社員」の定義、「パートと正社員のメリット、デメリット」などを深く考えられたことはないのではないかと思います。
この点、「パート」とは、一般的に、他の社員さんと比較して、労働時間が短かったり、勤務日数が少ない社員のことを示していると思われますが、「正社員」は、定義も明確でなく、「パート」も「正社員」も法律用語ではありません。
そこで、社員さんの働き方の違いを考える上で、法律的に重要なのは、「雇用期間の定めのある契約か否か」になってきます。
雇用期間の定めのない契約を無期契約といい、雇用期間の定めのある契約を有期契約と呼びます。
なぜ、「雇用期間の定めのある契約か否か」が重要かと言いますと、例えば、一年間の有期契約であれば、採用から一年経過後に、契約更新するかは、原則として、経営者の自由であるのに対して、無期契約の場合には、定年まで雇い続けなければならないからです。
確かに、無期契約の場合でも、解雇という手段が用意されてはいますが、解雇のハードルは大変厳しく、争いになって負ける可能性も大です。
このように、「雇用期間の定めのある契約か否か」かは、経営者の皆様にとって、問題社員さんが出てきた場合に、どのような対応ができるか考える上で、非常に重要なファクターになってきます。
「パートさん」でも無期契約であれば、簡単にやめさせることはできないのに対し、「正社員」と名乗っていても、雇用期間に定めがあれば、契約期間終了後、契約を更新しないことは原則として、自由なのです(契約更新が続けば、例外的に無期契約と同様の扱いが認められることもありますが、ここでは割愛させていただきます。)。
したがいまして、「有期契約」を有効に活用し、採用に迷われた際には、「有期契約」にして、その期間、従業員さんの適性を見極めるという方法もアリなのではないかと思います。
- メールマガジンバックナンバー
- 第1回メルマガ記事「残業代シリーズ①」 2017.7.27号
- 第2回メルマガ記事「残業代シリーズ②」 2017.8.10号
- 第3回メルマガ記事「残業代シリーズ③」 2017.8.24号
- 第4回メルマガ記事「解雇シリーズ①」 2017.9.14号
- 第5回メルマガ記事「解雇シリーズ②」 2017.9.28号
- 第6回メルマガ記事「企業と保険1」 2017.10.6号
- 第7回メルマガ記事「企業と保険2」 2017.10.24号
- 第8回メルマガ記事「セクハラ・不倫と企業」 2017.11.9号
- 第9回メルマガ記事「セクハラ・不倫と企業2」 2017.12.24号
- 第10回メルマガ記事「個人情報漏洩と企業の損害①」 2017.12.7号
- 第11回メルマガ記事「個人情報漏洩と企業の損害②」 2017.12.21号
- 第12回メルマガ記事「試用期間について」 2018.1.5号
- 第13回メルマガ記事「採用内定について」 2018.1.23号
- 第14回メルマガ記事「債権回収①」 2018.2.8号
- 第15回メルマガ記事「債権回収②」 2018.2.22号
- 第16回メルマガ記事「企業様と交通事故が関連する法的問題①」 2018.3.8号
- 第17回メルマガ記事「企業様と交通事故が関連する法的問題②」 2018.3.22号
- 第18回メルマガ記事「日々業務をする中で」 2018.4.13号
- 第19回メルマガ記事「外国人労働者の雇入れ」
- 第20回メルマガ記事「残業代請求に対する反論①」 2018.5.10号
- 第21回メルマガ記事「残業代請求に対する反論②」 2018.5.24号
- 第22回メルマガ記事「雇用と業務委託(請負)の違いについて」 2018.6.14号
- 第23回メルマガ記事「雇用期間の定めのある契約か否か」 2018.6.28号
- 第24回メルマガ記事「分かりにくい著作権の落とし穴」 2018.7.12号
- 第25回メルマガ記事「社員の給与が差押えされたら…」 2018.7.26号
- 第26回メルマガ記事「会社と労災適用となる交通事故」の関連から「企業コンプライアンス」について」 2018.8.9号
- 第27回メルマガ記事「有給チャンス」 2018.8.23号
- 第28回メルマガ記事「従業員間のトラブルについて」 2018.9.14号
- 第29回メルマガ記事「優良企業は狙われる!?」 2018.10.2号
- 第30回メルマガ記事「有期雇用の活用1」 2018.10.11号
- 第31回メルマガ記事「有期雇用の活用2」 2018.10.25号
- 第32回メルマガ記事「配置転換,出向,転籍について」 2018.11.8号
- 第33回メルマガ記事「配置転換,出向,転籍について②」 2018.11.23号
- 第34回メルマガ記事「事業承継その1」 2018.12.14号
- 第35回メルマガ記事「事業承継その2」 2018.12.28号