第29回メルマガ記事「優良企業は狙われる!?」 2018.10.2号

 弁護士の林です。

 おかげ様で多忙な日々を送らせていただいていますが、最近、長くかかった事件が終わりを迎えることも重なり、ほっと一息つける場面もありました。

 

 昔研修しているときに研修先の先生は、長くかかった事件が終わったときは、その日の仕事を切り上げて温泉施設に行って洗い流していました。

 私もそのような切り替えをできる何かを持ちたいものです。

 

 今回は、最近、受けた2つの相談で相手の対応に違いがあったのですが、その違いが生じる原因を考えていこうと思います。

 

 1つ目の相談は、簡単にいうと、上司が部下に対してパワハラをしてしまい、部下がうつ病になってしまったというものでした。

 部下の人は、お盆の連休から休んでいますが、先日文書がきて、会社都合にしてもらえるならそのまま退職でいい、というものでした。

 企業としては、これから労災になったり、損害賠償請求されたりといろいろと時間も労力もかかるところでしたので、よかったということで終わりました。

 

 2つ目の相談は、同僚間のけんかで、そのうちの1人がけがをしたというものでした。けがをした人は、会社に対して休職届を出したり、傷病手当の申請書を提出したりしている、というものでした。

 

 どちらかというと、1つ目の相談の方が会社への責任追及などの可能性は高いと考えられますし、問題も長期化しそうな気がします。

 

 しかし、1つ目の相談における部下の人はすぐに会社から退くことを希望してきました。他方で2つ目の相談におけるけがをした同僚の人は、休職し、傷病手当をもらうなどして、そのような意図があるかは別ですが、問題を長期化させようとしています。

 

 このような違いはどこにあるのか、正確なところは相手に聞いてみないとわかりません。ただ企業の方が言っていたのが、「うちも企業として大きくなって狙われ始めたんじゃないか」ということです。

 これは第三者から企業に対して請求される場面も含めて何度か聞いたことがあります。また相談時に私から言うと同意してもらえることもあります。

 

 1つ目の企業は、相談だけだったので、はっきりわかりませんが業績があまりよくない状況とのことでした。そのため、うつになった部下の人はその企業に請求してもあまり意味がないと考えて早く退こうと考えたのかもしれません。

 

 他方、2つ目の企業は、業績が伸び続けており、当然そのことをけがをした同僚の人も認識していたため、休職をするなどして法的請求をしようとしてきたのかもしれません。

 

 このように企業がまだ規模として小さい時、経営者と従業員の距離が近いといった良い理由で労働問題が起きていないということも考えられますが、従業員としては「請求しても意味がない」と思っていることもあるかもしれません。

 

 そのような場合には企業が大きくなるにつれて、「請求しよう」ということになりかねませんので、その前に弁護士を置くなどの対策をしていつ企業として狙われてもいいようにしておくことが大事だと思います。

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